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日が沈む聖地出雲

日が沈む聖地出雲

かつて、政権の中心があった大和から見ると、太陽は北西の出雲に沈みます。 このことから出雲は「日が沈む海の彼方の異界につながる地」として認識されたと考えられます。中央で編まれた『古 事記』や『日本書紀』で、出雲が「 黄泉国 よみのくに 」と「地上世界」をつなぐ地として描かれているのは、古代の人々が出雲を「日が沈む地」とイメージしていたことに端を発するのかもしれません。

今日も出雲では夕暮れ時の挨拶として「ばんじまして」という方言が使われています。他の地域ではあまり耳にしない「こんにちは」と「こんばんは」の間を結ぶ挨拶で、夕刻に格別な思いを抱く出雲の人々の心情が垣間見えます。

穏やかな表情や荒々しい姿を見せる海岸線。それを舞台に圧倒的な存在感を示す夕日。両者が織りなす美しい夕景は神により創り出されたとこの地に生きた人々は感じてきたことでしょう。

出雲の海岸線に立って海に沈む美しい夕日に祈り、出雲神話にちなんだ神社や登場地を巡ると、日が沈む聖地出雲の祈りの歴史を体感することができます。

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